オーガニック認証の色々

日本のオーガニック基準
日本にはオーガニック化粧品に関する明確な法的基準や公的認証制度は存在していません。その代わりに、JOCA(一般社団法人 日本オーガニック協会)、JONA( 一般社団法人 日本ナチュラル・オーガニックコスメ協会)など独自の審査基準を設定し認証する団体が存在します。
世界の主なオーガニック認証
COSMOS認証と5つの団体:EU
オーガニックおよびナチュラル化粧品の国際統一基準として、ヨーロッパの5団体が共同で制定した制度になります。COSMOS統一基準とし、各5団体による文化的背景や倫理観が反映さています。マークは「団体名+COSMOS ORGANIC/NATURAL」として表示されます。
団体名 | 国 | 特徴・分類 |
---|---|---|
ECOCERT | フランス | 世界的に有名なオーガニック認証機関。食品や化粧品など幅広く認証。環境保護と持続可能性を重視。 |
COSMEBIO | フランス | フランスのオーガニックコスメブランド団体。化粧品に特化し、製品の自然由来率や有機成分の割合に厳しい基準。 |
BDIH | ドイツ | ドイツの医薬品・化粧品業界団体。自然化粧品の基準を早期に確立。動物実験禁止など倫理面にも配慮。 |
Soil Association | イギリス | 英国土壌協会。農業・食品・化粧品のオーガニック認証を行う。環境と動物福祉に強い関心。 |
ICEA | イタリア | 環境と倫理を重視するイタリアの認証団体。フェアトレードや社会的責任にも配慮。 |
認証には2つのランクがあります。(※)注意点は石油由来合成成分の一部(界面活性剤、防腐剤)の使用が認められいることです。
認証名 | 主な基準 |
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COSMOS ORGANIC | 成分の95%以上が自然由来、植物原料の95%以上が有機栽培。完成品の20%以上がオーガニック成分(洗い流す製品は10%)。 |
COSMOS NATURAL | 自然由来成分のみ使用。オーガニック成分の含有量に関する最低基準はなし。 |
USDAオーガニック:アメリカ
製品の内、水や塩を除く95%以上がオーガニック原料である基準をクリアした製品に与えられるものです。化学肥料や遺伝子組み換え材料など、有害物質は禁止されています(石油系合成成分の「不使用」)。農産物や化粧品など多くのカテゴリーに対応し、環境保護や持続可能性を重視しています。
ラベル名 | 特徴 |
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100% Organic | すべての原料がオーガニック(水と塩を除く)。 |
Organic | 95%以上がオーガニック成分で、残りは許可された非オーガニック成分を使用可能。 |
Made with Organic Ingredients | 70%以上がオーガニック成分で、最大3つまで「オーガニック」表記可能。 |
Specific Organic Ingredients | オーガニック成分が70%未満。製品ラベルには「オーガニック」表記不可。 |
NATRUE:ベルギー
自然由来成分にこだわり、化学的に改変された成分や遺伝子組換え成分は一切使用できません。さらに、製品は持続可能な開発に配慮し、生分解性や環境保護を重視。(石油系合成成分の「不使用」)
ラベル名 | 特徴 |
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ナチュラル化粧品 | 主に自然由来成分を使用し、化学的改変は最小限。 |
ナチュラル化粧品(オーガニック割合指定あり) | 自然成分に加え、一般的に7割合以上のオーガニック成分を含む。 |
オーガニック化粧品 | 自然成分に加え、95%以上がオーガニック成分で、最も厳しい基準を満たす。 |
ACO:オーストラリア
原料の95%以上が認定オーガニック農作物でなければならないという厳しい基準を持っています。また、残りの5%も遺伝子組み換えや合成成分を含まず、すべて天然由来であることが求められます。(石油系合成成分の「不使用」)
DEMETER:ドイツ
バイオダイナミック農法に基づいた厳格な基準を持つオーガニック認証です。化学肥料や農薬は一切使用されず、天体のリズムに合わせた農作業が特徴的です。コスメ製品では、90%以上がバイオダイナミック農法で栽培された原料でなければならないとされています。(石油系合成成分の「不使用」)
まとめ
コスメ商品において、成分の95%以上がオーガニック原料であることが一般的な基準のようです。ですが、各国におけるオーガニックの定義にも差が見られ、単にオーガニック認証があるから安心ではありません。どの団体による認証でどのような特徴を持ってオーガニックと謳っているのか確認は必要ですね。