2025.06.26
スキニフィケーション~スキンケアの考え方をスキンケア以外の製品に生かす~

スキニフィケーションとは
「Skinification」という言葉は、2010年代半ば頃からヨーロッパで提唱された造語になります。
当初は健康で美しい髪を保つために頭皮ケアが重要だという考え方に基づき、頭皮ケアにもスキンケア概念をというのものでした。
現在、美容や化粧品業界での「スキニフィケーション」とは、従来のスキンケア製品の機能や成分をスキンケア以外の製品カテゴリーにも
応用することを指します。
日本でも以前から概念的なものが存在しましたが、それを表す言葉がありませんでした。コロナ渦やSNSの発達により、ここ数年で急激に広がりを
見せ、一般層へも認知されようになってきています。
具体的には
ヘアケア商品
<従来>
洗浄、ツヤ出し、絡まり防止等、髪の毛そのものへのアプローチ中心で、頭皮ケアにはあまり注目されていなかった。
<最近のトレンド>
頭皮を顔の延長として捉え、スキンケアすることで健康的な髪の毛の育成へとシフト。
有効成分の例として、ナイアシンアミド、サリチル酸、ヒアルロン酸、プロバイオティクスなどを配合し、バリア修復、細菌叢のバランス調整、
炎症の軽減などに重点を置いた処方設計へと変化。
その他化粧品への展開
UVケアとスキンケアの融合
光老化や紫外線ダメージへの意識向上に伴い、夏レジャーに関わらず日常的に使用される場面が増えてきました。そのような使用状況の中で、
軽い付け心地やスキンケア成分を配合した多機能性(保湿、鎮静、エイジングケア等)をもったUVケア商品が求められるようになっています。
メイクアップとスキンケアの融合
コロナ渦における「肌健康」重視と「ミニマル志向」の高まりと共に、ノーメイク風メイクや低刺激性の処方、肌に優しい成分への関心が
顕著になっています。
従来型のメイクアップ化粧品では、発色・カバー力等を重視するあまり、被覆力が強すぎたり、乾燥・毛穴詰まりを起こす処方が多くありました。
しかし、ここ数年は毎日の使いやすさを優先した肌が呼吸しやすい軽いタッチの処方へと変化が見られます。
また、メイクアップによる即自的な美しさに加えて、さらに美容成分を配合することで長期的なスキンケア効果が求められるようになっています。
まとめ
日本で「スキニフィケーション」という言葉はまだまだ認知されていな言葉です。
ですが、概念的なものは以前から存在し、美容成分が配合されたメイクアップ化粧品やUVケア商品を一般的にみかけるのではないでしょうか。
韓国では今年のトレンドワードとして既に広く認知されているようです。韓国で流行しているなら、日本での広まりもまじかだと予想されます。
普段、何気なく手に取っている化粧品の全体背景や海外トレンドを知ることも面白いかもしれません。
化粧品に対し、次はどのような機能が求められてくるのか興味深いと思いました。